世界の触感指標を創るを目指すカトーテック株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:加藤敦子)は、触り心地の官能評価を効率的に行うアプリ、TEXTUREVAL™(テクスチャーヴァル)を2025年12月17日(水)より販売開始します。
本アプリでは、官能評価の計画・実施をサポートし、結果の分析・解析までを一貫して行えます。官能評価の実施やデータ解析には専門知識が必要なため、研究開発者にとって大きな負担で手間(コスト、時間、スキルの習得)が伴うプロセスです。そんな課題を誰でも簡単かつ効率的に実施できるよう開発されたのが、今回のTEXTUREVAL™です。

TEXTUREVAL™は慶應義塾大学発のスタートアップ、株式会社HaptCore(本社:東京都渋谷区、代表取締役:澁江峻太郎)が開発。* 慶應義塾大学 大学院理工学研究科、竹村研究室の知見と成果を最大限応用しています。研究・開発現場のみならず、商品企画や販売促進、品質管理など、幅広い分野での活用が期待できます。*販売元、カトーテック株式会社
TEXTUREVAL™がもたらす価値 「ヒト起点の触感製品開発にかかせないアプリに」
• 感覚の「見える化」により、感性品質の共有が容易に
• 試験機データとの組み合わせで、素材や製品の研究開発の指標となる数値が分かる
• 計算づくされたAIによる分析により、評価業務の効率化と標準化を実現
さらに、KES®風合い試験機※1 や QUANTITEXTURE™※2 の測定結果をTEXTUREVAL™に取り込むことで、各試験機のデータと感覚的な言葉の繋がりを「見える化」することができます。これにより、素材や製品の目的に応じた評価手法の選定や試験機の活用がより効率的に行えるようになります。
開発背景① 「触り心地を評価することは、実はとても難しい」
世の中では技術が進歩し、素材が多様化する中で、触り心地は製品の印象や売上を左右するほど重要な要素となっています。その一方で、触り心地の感じ方は人それぞれであるため、評価の標準化が難しく、最終的な判断はデザイナーの感性や熟練者の経験に委ねられているのが現状です。しかし、人の感覚は日々変化し、また評価者が変わると結果も異なることも大いに発生します。そのため、触り心地評価試験機を用いて触り心地の数値化を行いますが「どの試験機が、人が良いと感じる感覚に近いか」を見極めることは重要なポイントです。こうした課題を解決するため、官能評価の複雑さや時間のかかるプロセスを簡素化し、誰でもアプリで、より人の感覚に近い触り心地評価ができるように開発されました。
開発の背景②「人の感じ方を捉えるには」
製品開発において「人の感じ方」を正確に捉えることは、依然として難題でした。従来の官能評価は、評価手順や尺度が統一されておらず、また評価設計から分析まで幅広い知識が必要で専門家以外には取り組みづらいという課題がありました。一方で、物理試験機による数値評価は客観的であるものの、人の感覚を完全に再現することは困難でした。
TEXTUREVAL™の特長
これらの主観(官能評価)と客観(試験機の結果)を結びつける、確かな関係を数値で表します。触ったときに「なぜそう感じるのか」、言葉同士、試験機との因果関係がわかるのが特長です。既存の印象語の解析を中心とするAI手法とは異なり、素材や製品に対する触感認識の構造を見える化します。例えば「なぜこの製品が“好き”なのか」をTEXTUREVAL™を用いて構造化することで、自分でも気づいていない“感性の影響要因”を理解でき、製品の開発・改良に活かすことができます。触り心地評価の言葉は100単語(ふんわり、ぷにぷに等)登録しています。
触り心地の解明の複雑さ


今後の展開 「日本だけでなく、官能評価の標準化が進んでいない海外も視野に入れて」
日本では長年にわたり、官能評価が体系的かつ文化的に成熟してきました。海外では規格に基づく物理的評価(JIS・ISOなど)を重視する傾向が強く、人間の感覚を細かく数値化する官能評価は日本ほど一般的でないことが多くあります。TEXTUREVAL™は、官能評価と試験データを統合することで、評価者や地域、素材の違いを越えて、一貫した触感評価を実現します。この触感データ解析アプリは、世界中の企業・研究者にとって「感覚評価の標準化」を可能にし、主観に頼っていた触感評価を新たな段階へ導きます。
※1 触り心地評価のパイオニアであるカトーテック株式会社は、触り心地を客観的に評価するため、材料や製品の物理特性を官能評価との相関が高い KES®風合い試験機 によって数値化してきました。布の風合いや触り心地を評価するために誕生したKES®風合い試験機は、「はり」「こし」「ぬめり」「しゃり」などの感覚を数値で表現できる世界初の試験機として誕生しました。さらに、布以外の素材においても、摩擦特性を評価することで「なめらかさ」「ざらつき」、曲げ特性を評価することで「柔らかさ」「かたさ」など触り心地を定量的に表すことが可能です。
※2 QUANTITEXTURE™(クオンティテクスチャー)は、指触感の「心地よさ」や「違い」を、従来の力学的特性ではなく、感覚の源である指の機械受容器から評価する、新技術を取り入れた試験機です。慶應義塾大学 竹村研治郎教授との共同研究により開発されました。
Haptcoreについて
株式会社HaptCoreは、「世の中に埋もれている“触り心地”の価値を見出す。」を使命とする慶應義塾大学発のスタートアップです。製品の“触り心地”は購買判断や使用満足を左右する重要な感覚情報です。この価値を誰もが扱えるようにするため、触感評価とデータ解析の知見を基盤に、アンケート設計から集計・解析までを一体化したアプリ「TEXTUREVAL™(テクスチャーヴァル)」を展開し、“触り心地”を測り、伝え、活かす仕組みを提供します。
会社概要
社名:株式会社HaptCore
本社所在地:東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
代表取締役:澁江 峻太郎
事業内容:触感評価ガイドアプリ「TEXTUREVAL™」の企画・提供、触感評価・設計の運用支援/コンサルティング
設立:2025年11月4日
カトーテック株式会社について
1961年に京都市で創業。京都大学の川端博士と共同開発し誕生したKES®風合い試験機を中心に世界中の「触り心地評価」をサポートする試験機メーカー。布の風合い、髪のなめらかさ、日用生活品の使い心地、自動車シートの快適性など、生活にまつわる様々な素材や製品の研究開発を後押します。現在では、世界37カ国に納入し、アメリカ、ヨーロッパ、アジアに代理店を構え、業界では触り心地評価なら「ケス」と呼ばれています。
1970年代にHV(基本風合い)である「はり」「こし」「ぬめり」「しゃり」「ふくらみ」を定義し、世の中の布の触り心地評価を革新させたKES®風合い試験機。HVを超える、最新の触り心地の見える化を実現する「TEXTUREVAL™」を独占販売します。
会社概要
社名:カトーテック株式会社
本社所在地:京都市南区西九条唐戸町26番地
代表取締役:加藤 敦子
事業内容:1. 電子計測装置 2. 高分子材料関連機器 3. 各種製造装置 4. 大型特殊機械
設立:1961年9月1日
HP:https://www.keskato.co.jp/
※「KES」は、カトーテック株式会社の登録商標です。


